Om Kriya Babaji Nama Aum.
著名な先生方、外国からお越しの皆さん、タミルやヨーガ・シッダーンタを愛する皆さん、
このお祝いの席に皆さんをお迎えでき本当に光栄です。1999年1月、私とニーラカンタンがヨーガ・シッダに精通したタミルの学者を捜し始めた時、このような会が催されえることになるとは夢にも思いませんでした。アンナマライ教授のタミル語版「ティルナンディラム」の書評に偶然出くわし、アドヤールにある出版社を突き止めました。そこでサバラサナム博士に出会い、我々が考えた調査計画に協力してくれることになったのです。その計画とは次の4つです。
1つ目は、「タミル・ナードゥの図書館、個人所有のヨーガに関する原稿をコンピューター上に保存し目録をつけること。」今後、これをナンバー1と呼びます。結果と継続中の事柄に関しては、ガナパシー博士が先ほど皆さんに報告いたしたとおりです。
2つ目は、「タミル・ヨーガ・シッダ関係の原稿に注釈をつけて英語に翻訳し、出版すること。」今後、ナンバー2と呼びます。既に、「ヨーガ・シッダ・アヴァイ」が出版されています。ナンバー1で保存されたものの中から「逸品」と認められるものがさらに出版される予定です。
3つ目は、「18人のシッダの作品に注釈をつけて翻訳しアンソロジーとして出版。」ナンバー3と呼びます。元々2000年2月15日に、「ババジ・クリヤ・オーダー・オブ・アーチャリヤ(カナダ)とヨーガ・リサーチ・アンド・エデュケイション・センター(カリフォルニア)、そしてサバラサナム博士が分担して行う」と決めたテーマで、最初に出版を予定していたものでした。しかし、重大さと困難さを考えて、2001年1月、ガナパシー博士にお願いすることにしました。学者とヨギの協働により完成し、今日「18人のヨーガ・シッダ:アンソロジー」として出版することになりました。
4つ目は、「ボーガナタルの詩に注釈をつけて出版。」ナンバー4と呼びます。2003年7月、第一巻「ボーガナタルのヨーガ」そして今日第二巻が出版される運びとなりました。後日、ボーガナタルの詩7000編、そして他の著作も出版したいと考えております。
過去6年間にわたり、我々はこの計画を実践してきました。私の人生の多くの事柄同様、この計画は私のグルであるババジ・ナカラジからのインスピレーションと言う形で1999年の初頭にもたらされたものでした。妻のドゥルガ、バンガロール・アシュラムの責任者ニーラカンタン、ガナパシー博士、副センター長のアルムガム博士を含めて、このプロジェクトに協力いただいた皆さんが、このプロジェクトが実現する夢を見続けてくれたことをうれしく思います。
どうしてカナダ人が歓迎の挨拶をしているのか。なぜ、外国人がこの会のスポンサーになっているのか。皆さんは不思議に思われていると思います。話は、約50年前、私のグルであるヨーギ・ラマイアにババジ・ナカラジが依頼した神聖な仕事まで遡ります。18人のタミル・ヨーガ・シッダがシュロの葉に書き残した原稿を集め、書き写し、出版するように依頼したのです。1960年代、ヨーギ・ラマイアはタミル・ナードゥ州をまわり、シロアリと戦いながら原稿を保存しました。私は1972年からタミル・ナードゥ、特にカナドゥカタンのラマイアのアシュラムに滞在し、仕事を手伝いました。1970年代後半、ボーガナタルの1800以上の詩をチダンバラムで出版しました。活字組みや手はずが滞りなく進むように印刷業者のところで何日も過ごしたものです。本日ここでご覧いただける「ボーガナタルのヨーガ」1,2巻は、あの時の出版物がもとになっています。18年間わたしがヨーギ・ラマイアのもとで修行した時、ラマイアはこれらの詩の歌い方、瞑想の仕方を教えることが最も好きでした。詩の中にある隠された意味を理解させる瞑想法を教えてくれたのです。本日出版される書に注釈をつける際、私とドゥルガはこの方法を用いました。昔、ラマイアが言っていたように、多くの学問分野にわたる学者とヨギの協力が無ければこの書を世に出すことは出来なかったでしょう。この書が出版できるのはチームワークのおかげです。スポンサーとして、適任者を集めるきっかけになれたことをうれしく思います。
1981年、私はシッダ・アヴァイのヴィジョンを見ました。「もし忠誠を誓うなら、あなたを通して働こう」と言ったのです。1988年、ヨーガ・シッダの著作を専門に扱う出版社「Babaji's Kriya Yoga and Publications」を設立するように促されました。1991年には、「ババジと18人のシッダ」を出版し、今では第7版を数え、英語以外に13ヶ国語で出版されています。2000年には、初の英語版「ティルマンディラム」と、「パタンジャリのヨーガ・スートラ」を出し、後者は英語以外に5ヶ国語で出版されています。多くの人々を引き付けることができました。思ったほど学者を引き付けることは出来ませんでしたが、求道者を引き付けることは出来ました。1990年から現在まで、20カ国以上で1万人近くの人々にババジ・クリヤ・ヨーガのイニシエーションを施しました。ババジ・クリヤ・ヨーガは神との合一へと導く体系的な技法であり、タミル・ヨーガ・シッダの叡智を具体化したものです。求道者の多くは、カナダ、アメリカ、バンガロールで公式に登録されている慈善団体Babaji's Kriya Yoga Order of Acharyasを通じて、このプロジェクトに寄付をしてくれています。
1999年2月、今日は残念ながらご臨席されていませんが、西洋におけるヨーガ研究の第一人者であるフォイエルステイン博士にこの調査計画の賛同を得られ、共同スポンサーとなっていただきました。フォイエルステイン博士は、カリフォルニアを拠点とする非営利団体Yoga Research and Education Centerの設立者であります。我々が成せることは資金的に制限されています。ですから皆さん、本日出版された書物を購入されると共に、ヨーガ・シッダ・リサーチ・センターの今後の計画のために、バンガロールのBabaji's Kriya Yoga Order of Acharyasへの寄付をお願いいたします。皆さんの寄付によって、タミル・ヨーガ・シッダの偉大な遺産である著作を保存し、多くの言語で出版することが可能になります。
なぜ私が長期にわたり、多くの努力をこの仕事に費やしているのか皆さんは不思議に思われるかもしれません。「ヨーガ・スートラ」注釈者であるスワミ・ハリハラナンダ・アランヤの言葉を引用します。「人間が知識を獲得するのは、苦しみの除去が目的なら、苦しみを完全に取り除いてくれる知識は、最も偉大な知識ということになる。」swadhyaつまり自己の研究はヨーガの修練において不可欠のものであると、今までヨーガをしてきて知りました。ヨーガの技法、クリヤを手にしたとしても、ヨーガの達成者が表した書物を利用できなければ、それは地図を持っていない運転手、鏡を持たない人のようなものです。ご存知のように、ガナパシー博士のような少数の学者を除いて、多くの学者は「難しい」という理由でヨーガ・シッダの著作を避けています。私が参加した会議、例えば20数年前、マドゥライで行われた会議で実際に多くの学者が難しいと言っていました。ガナパシー博士と協働者のように翻訳家と哲学者が協力して取り組むことによって、ぼんやりとした言葉の中に隠された意味の多くを発見することが出来ました。これらの書物は私にとってインスピレーションの泉です。未来の人々にとってもそうであると信じています。
ババジ・クリヤ・ヨーガはヨーガ・シッダーンタ、18人のシッダの教えの凝縮されたものです。ババジは、最も傑出したシッダ、アガスチャとボーガナタルの弟子です。クリヤ・ヨーガの求道者が2人の詩を読めば、クンダリーニ・ヨーガに関する描写の多くが、ババジ・クリヤ・ヨーガのイニシエーションで伝授されることと一致するのを知るでしょう。しかし、クンダリーニ・ヨーガもシッダの教えによって息を吹き込まれなければならないのです。今日ヨーガは世界的な人気を博しています。もっとも主に肉体的な目的のためですが、徐々に多くの実践者が本来の霊的な側面を理解しようとし始めています。世界中の真摯なヨーガの探求者がシッダの書を読み、教えを実践すること、そしてその数が増加することを私は確信しております。今日出版される書物に示されているようなヨーガの起源に立ち帰ることによって、沢山の人々の人生が変容するでしょう。
世界は現在、前例の無い問題と恐怖に直面しています。ヨーガこそが、テロに対する最大の防御だと信じています。今ほど、人類が相互依存を必要とした時代は歴史上ありません。ある地域での風邪の流行や自殺の発生が、他の地域の経済的、政治的な安定に影響を及ぼすのです。こうした危機に対処するには、多くの目覚めたヨーガの実践者によるヨーガ教えの実践が必要とされているのです。メディアは社会を恐怖に陥れようとする者たちの最大の道具になっています。テロに対する最大の防御はヨーガです。テロが効果をなすために必要な恐怖、この恐怖を源で取り除いてくれるからです。これには精神的な訓練、勇気、無執着、明晰で落ち着いた思考が必要です。全てヨーガが息を吹き込みます。さらに、1人のヨギの肯定的な思考は1千の民衆の散漫な否定的思考よりも強力なものです。ヨギは善の代理人として働き、思いやりと知恵の精神で世界の問題を解決するのです。
ヨーガとは一つの社会運動です。というのは、ヨーガは一度に人間を利己的な状態から目覚めさせ変容させることを求めるからです。現代の多様な文化は概ね個人主義、物質主義、消費主義によって導かれています。これらはエゴイズムの手段です。ヨーガを実践してヤーマ(非暴力、正直、不盗、禁欲、不貪)二ヤーマ(清浄、満足、自己研究、修練、神への献身)を行えば、一般に行き渡っている文化に対する革命に従事することになります。cultureという言葉は、礼拝を意味するラテン語のculteを語源としています。したがって現代の物質、消費、個人主義の文化において、たいていの人は何よりも、物質的で、消費でき、自分は特別であるという感覚を高めてくれるものに礼拝している、つまり価値を置いているのです。
一方、ヨギは主、つまり絶対的実在を礼拝します。まず、自分の内、すなわち存在の霊的側面に主を知り、やがて意識が高まると、超意識においてあらゆる存在の中に主を見出し始めます。自分を特別な存在とは感じず、自分を行為者とも思わない。主の御手があらゆる次元において導き、力を与えていることを知るのです。
たいていの人がヨーガを体操として始めるからといって、ヨーガの影響が健康や肉体次元に制限されているということではありません。ヨーガを実践し続ければ、神経系統、心にまで影響が現われ、その結果、霊的次元まで意識が拡大されます。肉体的要求、つまりストレスを軽減させるために始めたものが、結果的に霊性への歩みとなるのです。この歩みによって、社会的に条件づけられた習慣からますます自由になることが出来るのです。vairagyaすなわち無執着を練習し続けると、社会的条件付けを含めて自分でないものを捨て去るようになり、真の自分を経験し始めるのです。真我の経験が、エゴイズムの混乱、すなわち自分でないもの、思考、感情、記憶、習癖、感覚を自己と見なす習慣に取って代わるのです。意識が拡大するにつれ、目撃者、真の目撃者になるのです。「私は男、専門家、黒人、白人、アジア人」とエゴは言います。「私はあれであり、あれは私である」と目覚めたヨギは言います。意識におけるこうした変化は、社会と深くそして広範囲にわたって関係します。ヨギが回りにいる人の平和や幸せの源になるだけでなく、並外れた明晰さと洞察力によって、エネルギーの発電機となるのです。
あらゆる瞬間、あらゆる状況において、世界の様々な問題への賢明な解決策と平和をもたらす力が自分たちの中にある、とヨーガの実践者全員が認識しますように。ヨーガ・シッダは、arrupadaiすなわち「同胞へ道を示すこと」として自ら述べている、社会に対する大いなる関心を抱いていました。ここには、道徳上の戒律を通して何をすべきではないかを人々に教えることも含まれていました。アヴァイの場合には、絶対的至福と真我実現をもたらす秘教技法、クンダリーニ・ヨーガを教えることに加えられていたのです。
以上が、36年にわたるババジ・クリヤ・ヨーガの実践から得た経験であり、ヨーガ・シッダ・リサーチ・センターの共同スポンサーである理由です。ヨーガ・シッダによる著作の出版祝賀会にあわせて、ババジ・クリヤ・ヨーガの紹介が出来てうれしく思います。私を道具として用い、今回のプロジェクトに関わった先生方をサポートさせてくれたこと、ヨーガを愛する者、真理の求道者の利益のために偉大な著作を出版へと導いてくれたことに対して、サットグルのババジ・ナカラジに深く感謝します。Om Tat Sat. Om Kriya Babaji Nama Aum.
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